iDeCoはやめとけ?5年続けた本音
「iDeCo やめとけ」で検索して、ここにたどり着いた人もいると思う。
先に正直に書く。ぼくはiDeCoを40歳ごろから、もう5年以上続けている。
このブログでは新NISAを始めた話ばかり書いてきたので、「じゃあiDeCoはやってないのか」と思われても不思議はない。実際、この記事も以前は「新NISAを優先してiDeCoは後回しにした」という内容で公開していた。
それは正確ではなかった。
iDeCoは新NISAよりずっと前から続けている。
投資していることを人に言わない理由にも書いたとおり、お金の話を具体的にするのは避けたい性分で、ブログでも掛金の具体額までは書いてこなかった。その結果、この記事だけが実態とズレたまま残っていた。
この記事では、掛金の具体額は伏せたまま、iDeCoの3つのデメリットと、それでも5年続けている理由を正直に書く。
iDeCoと新NISA、決定的に違うのは1点だけ
細かい話の前に整理しておく。
| 新NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 税優遇 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税+掛金が所得控除 |
| 口座管理手数料 | 無料の金融機関が多い | 最低でも月171円 |
| 加入できる年齢 | 18歳以上 | 原則65歳未満(2026年12月から70歳未満) |
税制優遇だけ見れば、iDeCoのほうが有利だ。掛金がまるごと所得控除になるので、その年の所得税と住民税が軽くなる。実際、年収別にいくら節税になるか計算した記事も書いた。
それでも「iDeCoはやめとけ」と言われるのは、違いが1点に集約されるからだと思う。
「自由に使えるお金」か「老後専用のお金」か。
ここが、生活の状況によって重さの変わるところだ。
デメリット1:急な出費が読めない
iDeCoは原則60歳になるまで1円も引き出せない。
これは欠陥ではなくルールだ。老後資金を守るための仕組みなので、むしろ設計としては正しい。
ただ、ぼくにとっては重い制約であることに変わりない。
去年の冬、洗濯機が壊れた。修理代を聞いたら買い替えとほぼ同じ金額で、約7万円が一気に飛んだ。
予備費をきれいに用意できているタイプではないので、その月は新NISAの積立を1回だけ見送って乗り切った。かっこ悪いけれど、これが今のリアルな資金繰りだ。
こういうとき、新NISAには「積立を止める」「売って使う」という逃げ道がある。
iDeCoには、その選択肢がそもそも存在しない。
iDeCoの掛金を上限まで増やせないのは、この「動かせないお金」への警戒感が今も抜けないからだと思う。
だからこそ、ぼくはiDeCoの掛金を上限までは増やさず、新NISAと生活防衛費のほうに余力を回してきた。
→ 積立を止めたくなったときの手順は 楽天証券の積立解除の手順|売却との違いと判断基準に書いた。
デメリット2:手数料は最低でも月171円
新NISAは口座管理に手数料がかからない金融機関がほとんどだ。
一方でiDeCoは、どこで申し込んでも最低でも月171円かかる。
| 手数料の内容 | 金額(月額) |
|---|---|
| 国民年金基金連合会 | 105円 |
| 事務委託先金融機関(信託銀行) | 66円 |
| 口座管理手数料(金融機関による) | 0円〜460円 |
ネット証券の最安でも月171円・年間2,052円。加入時には初回のみ2,829円もかかる。
「月171円くらい誤差では」と思う人もいるはずだ。ぼくも始めた当初はそう思って、計算をあまりしていなかった。
でも年間にすると2,052円。息子の習い事1回分くらいが、毎年ただの維持費として消えていく。
利益が出ればこの手数料は誤差になる。でも元本割れしている年にも、手数料だけは確実に引かれる。
ここは所得控除の効果と比べるべき部分でもある。課税所得によっては、手数料を上回る節税になる人も多い。掛金が大きい人ほどiDeCoが有利で、小さいうちは手数料の比率が効いてくる、という話だ。ぼくが5年続けてこられたのは、この節税効果を実感できたからだと思う。年末調整で還付額の通知を見るたびに、月171円の手数料はもう気にならなくなっていた。
デメリット3:退職金の受け取り方が決まっていない
ここが、調べていて一番驚いた部分だった。
iDeCoを一時金で受け取ったあとに会社の退職金を受け取る場合、「退職所得控除」の調整期間がある。
この期間が2026年1月から、「前年以前4年以内」から「前年以前9年以内」に延長された。
簡単に言うと、iDeCoと退職金を両方もらうとき、順番とタイミングを間違えると税金で損をする可能性があるということだ。
正直、ここまで調べて「えっ、そんなに変わるの」と声に出した。5年も続けてきたのに、出口の設計はまだ何も決めていなかったからだ。
「60歳まで引き出せない」だけじゃなく、「受け取り方」まで戦略が必要だったとは。
入口(積立)だけ見て決められる制度ではなかった、というのがぼくの実感だ。退職金の受給予定時期が分かった時点で、まず「前年以前9年以内」に収まっているかどうかを確認するつもりでいる。それまでの間は決めずに放置するのではなく、少なくとも「確認する時期」だけは決めておくことにした。
2026年12月の改正で、iDeCoはどう変わるか
ここは事実だけ整理しておく。2026年12月1日に、iDeCoは大きく変わる。
| 項目 | 現行 | 改正後 |
|---|---|---|
| 加入できる年齢 | 原則65歳未満 | 70歳未満 |
| 拠出限度額(会社員・公務員) | 月2.0〜2.3万円 | 月6.2万円 |
| 拠出限度額(自営業など) | 月6.8万円 | 月7.5万円 |
年齢の拡大は老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことなどが条件で、拠出限度額の引き上げが実際の掛金に反映されるのは2027年1月分からとされている。
会社員の枠が月2.3万円から6.2万円へ、2.7倍近くに広がる。
これは大きい。掛金が増えれば所得控除の額も増えるので、さっき書いた「月171円が重い」という話は、掛金の大きい人ほど当てはまらなくなる。
ぼくも、この枠の拡大を機に掛金を見直すかどうか、今考えているところだ。
それでも5年続けてきた理由
3つのデメリットを並べたが、それでもやめなかった理由はシンプルだ。
所得控除の節税効果は、始めたその年からすぐに効く。
生活防衛費が心もとなかった時期も、上限までは増やさず、無理のない範囲の掛金を維持することで両立させてきた。
「全部やるか、全部やめるか」ではなく、「iDeCoは続けつつ、掛金は生活に合わせて調整する」という中間の選び方があってもいいと思っている。
- 生活防衛費が別に確保できていて、60歳まで触らない前提のお金がある人
- 課税所得がそれなりにあり、所得控除の恩恵が手数料を明確に上回る人
- 退職金の受け取り方まで含めて計画できる人
- 「引き出せない」が、むしろ使ってしまわない仕組みとして機能する人
この4つに強く当てはまるほど、iDeCoは向いている制度だと思う。
ぼくの場合、当てはまり切っていない部分(退職金の受け取り方)もあるが、節税効果だけで続ける価値があると判断している。
→ 新NISAをいくらから始めたかは 新NISA月1万円は少なすぎ?40代の結論と3万円の分岐点に書いている。
→ 教育費や保険と並べて優先順位がつけられないなら FP無料相談はなぜ無料?怪しいと思ってた人の実録レビューが参考になるかもしれない。
よくある質問
Q. iDeCoの手数料は、どこで申し込んでも同じ?
A. 国民年金基金連合会と事務委託先金融機関への手数料(合計月171円)はどこでも共通だが、口座管理手数料は金融機関によって0円〜数百円と差がある。ネット証券は無料のところが多い。
Q. 2026年12月の改正を待たずに、今から始めてもいい?
A. 制度上は今から始めても問題ない。むしろ所得控除は始めた年から効くので、掛金を出せる人ほど早いほうが有利になる。ただし加入年齢と拠出限度額が変わるため、「いくら拠出するか」は改正後の枠も見て決めると調整しやすいと思う。
Q. 新NISAとiDeCo、両方同時にやるのは難しい?
A. 制度上は同時に利用できる。ぼく自身も両方続けている。ただしどちらもお金を出す仕組みなので、まずは新NISAの積立を無理なく続けられているかを確認してから、iDeCoの掛金を決めるのが現実的だと思う。
Q. 「iDeCoはやめとけ」と言われるのはなぜ?
A. 多くは「60歳まで引き出せない」ことを指していると思う。ただこれは制度の目的そのものなので、老後資金として使うなら欠点ではない。問題になるのは、生活防衛費が足りないまま上限まで掛けてしまった場合だ。やめとけかどうかは制度の善し悪しではなく、掛金の決め方で変わる。
ここまで書いたのは、ぼく個人の体験と調べたことをもとにした話です。投資・税制・年金制度の判断は自己責任でお願いします。最新の制度内容や受け取り方については、必要に応じてFP等の専門家にご相談ください。
まとめ
- ぼくはiDeCoを40歳ごろから5年以上続けている。掛金の具体額は非公開
- 引き出せない制約が重いのは、急な出費が読めない人。ぼくは洗濯機7万円で実感した
- 手数料は最低でも月171円。積立額が小さいうちは比率として効いてくる
- 退職金との受け取り順で税額が変わる。調整期間は前年以前9年以内に延長された
- それでも続けているのは、所得控除の節税効果が手数料を上回っているから
- 2026年12月から加入年齢は70歳未満、会社員の枠は月6.2万円に拡大する
今日できる1アクションはこれだ。
自分が検討している金融機関のiDeCo手数料ページを、1分だけ開いてみてほしい。
公式PDFを全部読む必要はない。手数料の表だけでいい。
「月171円」が誤差なのか、習い事1回分の重さなのか。それが自分の家計でどちらなのかが分かれば、やるかどうか、いくら掛けるかは自然と決まる。
すでにiDeCoをやっていて、退職金もある人は、あわせて自分の退職金の受給予定時期をカレンダーか手帳に書いておいてほしい。その時期が近づいたときに「前年以前9年以内」に収まっているかを確認する、というだけで十分だ。
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