iDeCoはやめとけ?40代が新NISAを先にした理由

iDeCoはやめとけ?40代が新NISAを先にした理由のサムネイル

「iDeCo やめとけ」で検索して、ここにたどり着いた人もいると思う。

ぼくもそう調べた側の人間だ。新NISAは始めたのに、iDeCoだけ「あとで調べる」フォルダに入れたまま半年が過ぎていた。

結論から書く。

iDeCoは悪い制度ではない。ただ、今のぼくには合わなかった。

やめとけと言い切るつもりはないし、逆に「みんなやるべき」とも思わない。合うかどうかは、3つの条件で決まると考えている。

この記事では、40代シングルファーザーのぼくが新NISAを優先した理由を、調べた制度の中身とあわせて正直に書く。

読み終わるころには、自分が今やるべきかどうかが判断できるはずだ。


iDeCoと新NISA、決定的に違うのは1点だけ

細かい話の前に整理しておく。

新NISAiDeCo
引き出しいつでも可能原則60歳まで不可
税優遇運用益が非課税運用益が非課税+掛金が所得控除
口座管理手数料無料の金融機関が多い最低でも月171円
加入できる年齢18歳以上原則65歳未満(2026年12月から70歳未満)

税制優遇だけ見れば、iDeCoのほうが有利だ。掛金がまるごと所得控除になるので、その年の所得税と住民税が軽くなる。

それでもぼくが後回しにしたのは、違いが1点に集約されるからだった。

「自由に使えるお金」か「老後専用のお金」か。

ここが、生活の状況によって重さの変わるところだった。


やめておく判断になる3つの条件

ぼくが調べて出した基準を先に置く。

iDeCoをやめておく判断になる3条件。急な出費が読めない、積立額がまだ小さい、退職金の受け取り方が未定。3つとも当てはまらないならやる価値は大きい

この3つに当てはまるかどうかで、答えはだいたい決まると思っている。順番に書く。


条件1:急な出費が読めない

iDeCoは原則60歳になるまで1円も引き出せない

これは欠陥ではなくルールだ。老後資金を守るための仕組みなので、むしろ設計としては正しい。

ただ、ぼくにとっては重かった。

去年の冬、洗濯機が壊れた。修理代を聞いたら買い替えとほぼ同じ金額で、約7万円が一気に飛んだ。

予備費をきれいに用意できているタイプではないので、その月は新NISAの積立を1回だけ見送って乗り切った。かっこ悪いけれど、これが今のリアルな資金繰りだ。

こういうとき、新NISAには「積立を止める」「売って使う」という逃げ道がある。

iDeCoには、その選択肢がそもそも存在しない。

iDeCoの60歳ルールに困った顔をするひろと

「絶対に動かせないお金」を増やすのは、息子が18歳になるまでの今は正直こわかった。

逆に言えば、生活防衛費が別に確保できている人には、この制約はデメリットにならない。

→ 積立を止めたくなったときの手順は 楽天証券の積立解除の手順|売却との違いと判断基準に書いた。


条件2:積立額がまだ小さい

新NISAは口座管理に手数料がかからない金融機関がほとんどだ。

一方でiDeCoは、どこで申し込んでも最低でも月171円かかる。

手数料の内容金額(月額)
国民年金基金連合会105円
事務委託先金融機関(信託銀行)66円
口座管理手数料(金融機関による)0円〜460円

ネット証券の最安でも月171円・年間2,052円。加入時には初回のみ2,829円もかかる。

「月171円くらい誤差では」と思う人もいるはずだ。ぼくも最初はそう思って、計算を後回しにしていた。

でも年間にすると2,052円。息子の習い事1回分くらいが、毎年ただの維持費として消えていく。

新NISAを月1万円から始めたころのぼくにとって、月171円は積立額の1.7%にあたっていた。

積立を月3万円まで増やした今は0.57%まで下がったが、比率が下がっただけで、引かれる額そのものは変わらない。

利益が出ればこの手数料は誤差になる。でも元本割れしている年にも、手数料だけは確実に引かれる。

ここは所得控除の効果と比べるべき部分でもある。課税所得によっては、手数料を上回る節税になる人も多い。掛金が大きい人ほどiDeCoが有利で、小さいうちは手数料の比率が効いてくる、という話だ。


条件3:退職金の受け取り方が決まっていない

ここが、調べていて一番驚いた部分だ。

iDeCoを一時金で受け取ったあとに会社の退職金を受け取る場合、「退職所得控除」の調整期間がある。

この期間が2026年1月から、「前年以前4年以内」から「前年以前9年以内」に延長された。

簡単に言うと、iDeCoと退職金を両方もらうとき、順番とタイミングを間違えると税金で損をする可能性があるということだ。

正直、ここまで調べて「えっ、そんなに変わるの」と声に出した。

iDeCoの受け取りルール変更に驚くひろと

「60歳まで引き出せない」だけじゃなく、「受け取り方」まで戦略が必要だったとは。

入口(積立)だけ見て決められる制度ではなかった、というのがぼくの実感だ。


2026年12月の改正で、iDeCoはどう変わるか

ここは事実だけ整理しておく。2026年12月1日に、iDeCoは大きく変わる。

項目現行改正後
加入できる年齢原則65歳未満70歳未満
拠出限度額(会社員・公務員)月2.0〜2.3万円月6.2万円
拠出限度額(自営業など)月6.8万円月7.5万円

年齢の拡大は老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことなどが条件で、拠出限度額の引き上げが実際の掛金に反映されるのは2027年1月分からとされている。

会社員の枠が月2.3万円から6.2万円へ、2.7倍近くに広がる。

これは大きい。掛金が増えれば所得控除の額も増えるので、さっき書いた「月171円が重い」という話は、掛金の大きい人ほど当てはまらなくなる。

ぼくのように「制度を理解しないまま何となく始める」タイプにとっては、条件が変わるタイミングを知っておく価値があると思っている。


それでも、iDeCoが向いている人

ここまで慎重な話を書いたが、iDeCoが向いている人は普通にいる。

  • 生活防衛費が別に確保できていて、60歳まで触らない前提のお金がある人
  • 課税所得がそれなりにあり、所得控除の恩恵が手数料を明確に上回る人
  • 退職金の受け取り方まで含めて計画できる人
  • 「引き出せない」が、むしろ使ってしまわない仕組みとして機能する人

3条件のどれにも当てはまらないなら、やる価値は大きい制度だと思う。

ぼくの場合は、新NISAの積立を安定して続けられるようになってから、拡大後の枠でもう一度検討する順番に決めた。

やらないと決めたのではなく、順番を決めただけだ。

→ 新NISAをいくらから始めたかは 新NISA月1万円は少なすぎ?40代の結論と3万円の分岐点に書いている。

→ 教育費や保険と並べて優先順位がつけられないなら FP無料相談はなぜ無料?怪しい?40代シングルファーザーの体験談が参考になるかもしれない。


よくある質問

Q. iDeCoの手数料は、どこで申し込んでも同じ?

A. 国民年金基金連合会と事務委託先金融機関への手数料(合計月171円)はどこでも共通だが、口座管理手数料は金融機関によって0円〜数百円と差がある。ネット証券は無料のところが多い。

Q. 2026年12月の改正を待たずに、今から始めてもいい?

A. 制度上は今から始めても問題ない。むしろ所得控除は始めた年から効くので、掛金を出せる人ほど早いほうが有利になる。ただし加入年齢と拠出限度額が変わるため、「いくら拠出するか」は改正後の枠も見て決めると調整しやすいと思う。

Q. 新NISAとiDeCo、両方同時にやるのは難しい?

A. 制度上は同時に利用できる。ただしどちらもお金を出す仕組みなので、まずは新NISAの積立を無理なく続けられているかを確認してから、iDeCoの上乗せを検討するのが現実的だと思う。

Q. 「iDeCoはやめとけ」と言われるのはなぜ?

A. 多くは「60歳まで引き出せない」ことを指していると思う。ただこれは制度の目的そのものなので、老後資金として使うなら欠点ではない。問題になるのは、生活防衛費が足りないまま始めた場合だ。やめとけかどうかは制度の善し悪しではなく、その人の家計の状態で決まる。


※この記事はぼく個人の体験談・調査に基づく情報です。投資・税制・年金制度の判断は自己責任でお願いします。最新の制度内容や受け取り方については、必要に応じてFP等の専門家にご相談ください。

まとめ

  • iDeCoは悪い制度ではない。合うかどうかは家計の状態で決まる
  • 引き出せない制約が重いのは、急な出費が読めない人。ぼくは洗濯機7万円で実感した
  • 手数料は最低でも月171円。積立額が小さいうちは比率として効いてくる
  • 退職金との受け取り順で税額が変わる。調整期間は前年以前9年以内に延長された
  • 2026年12月から加入年齢は70歳未満、会社員の枠は月6.2万円に拡大する

今日できる1アクションはこれだ。

自分が検討している金融機関のiDeCo手数料ページを、1分だけ開いてみてほしい。

公式PDFを全部読む必要はない。手数料の表だけでいい。

「月171円」が誤差なのか、習い事1回分の重さなのか。それが自分の家計でどちらなのかが分かれば、やるかどうかは自然と決まる。

ひろと

ひろと

40代・千葉在住のシングルファーザー。5歳で母を亡くし、父子家庭で育ちました。今は息子と2人です。
「息子には、選択肢の多い人生を。」その思いから、貯める → 増やす → 稼ぐ「お金の順番」を実践しています。

ひろとのことを読む →
📩 登録特典あり

登録後すぐ受け取れます。「毎月1万円を残すために最初にやったこと」

貯める → 増やす → 稼ぐ。「お金の順番」で家計を整えた実体験です。
スマホ・光回線・保険・サブスクを見直し、毎月17,913円を残せるようになるまでの手順をPDFにまとめました。

  • ✅ 登録後すぐ受け取れる特典PDF付き
  • ✅ 「お金の順番」をひとつの流れで読める
  • ✅ 失敗や出費も、そのまま正直に公開