離婚後の保険証の手続き|扶養を外れたら国保・年金はどうなる
「離婚したら、保険証ってどうなるの?」
「扶養に入っていたけど、国保に入り直すの? 年金は?」
「元の配偶者を扶養から外す手続き、会社にどう頼めばいいの?」
先に結論を書きます。配偶者の扶養に入っていた人は、離婚で扶養を外れます。そのあと、国民健康保険(または勤め先の健康保険)と、国民年金の手続きが必要になります。
国民健康保険は、加入などの手続きを14日以内に出す、と厚生労働省のページに書かれていました。
保険証は、普段は財布の奥で眠っているくせに、使えなくなった日に一番困るやつです。
この記事では、日本年金機構・厚生労働省・協会けんぽのページを読んで、確認できた手続きを、「扶養していた側(会社員)」と「扶養に入っていた側」に分けて整理しました。ぼくの体験談ではなく、公式資料の読み解きです。
離婚で変わるのは、「扶養」の関係
まず、前提です。
日本年金機構のページには、被扶養者(扶養に入っている家族)を削除する理由が、いくつか並んでいました。その中に、「婚姻等により他の被保険者に扶養されるようになったとき、または離婚したとき」が入っています。
離婚は、扶養から外れる理由として、公式に書かれています。
ここで気をつけたいのは、手続きを出す人が、2人に分かれることです。
| 立場 | 主な手続き |
|---|---|
| 扶養していた側(会社員) | 被扶養者の削除届を、事業主を通して出す |
| 扶養に入っていた側 | 国民健康保険(または勤め先の健康保険)の加入。年金の切り替え |
離婚した相手同士で、どちらが何を出すかを、先に分けておく必要があります。
扶養していた側:削除届は、会社を通して出す
日本年金機構の「被扶養者に異動があったときの手続き」のページを読むと、次のとおりです。
被扶養者を削除(非該当)するときは、届出を行う。提出するのは被保険者(扶養していた側)で、事業主を経由する仕組みです。提出先は、事務センターまたは管轄の年金事務所です。
提出時期の欄には、「その都度」と書かれていました。「5日以内」のような日数は、削除の欄には書かれていません。なお、被扶養者を追加(認定)するときは「事実発生から5日以内」と書かれていて、削除とは別の扱いです。
協会けんぽの案内では、被扶養者を削除するときは「健康保険被扶養者(異動)届」に必要事項を記入し、発行されている場合は被保険者証、資格確認書を添えて提出する、という扱いでした。
保険証の代わりに、いまは「資格確認書」や「マイナ保険証」という言葉が、協会けんぽのページに出てきます。
扶養に入っていた側:健康保険は、国保か、勤め先か
国民健康保険は、14日以内
厚生労働省の「国民健康保険の加入・脱退について」のページには、こう書かれていました。
国民健康保険の被保険者となったとき、脱退するときなどは、14日以内に、お住まいの市町村の国民健康保険の窓口まで、関係書類を提出する必要があります。
提出が必要な書類や申請方法は、都道府県・市町村のホームページで確認するよう案内されています。
国保の加入に必要な証明は、年金事務所に請求できる
国民健康保険に入るとき、「被扶養者でなくなった日」を示す書類が必要になることがあります。
日本年金機構の「国民健康保険等へ切り替えるときの手続き」のページには、そのための請求の仕組みが書かれていました。
- 提出するのは、「健康保険・厚生年金保険 資格取得・資格喪失等確認請求書(通知書)」
- 提出先は、事務センターまたはお近くの年金事務所
- 提出方法は、窓口持参または郵送
- 添付書類は、原則不要
- 窓口に行くときは、身分証明書を持参する
被扶養者が自分で申請することもできます。ただし、被扶養者が申請する場合は、被扶養者に関する事項だけが証明できます。被保険者(扶養していた側)の資格の取得日や喪失日の証明はできない、と書かれていました。
勤め先の健康保険に入る場合は、国保は不要
被扶養者の削除の理由には、「健康保険や共済組合などの被保険者になったとき」も入っています。
自分が勤め先の健康保険に入るなら、国民健康保険ではなく、そちらの手続きになります。
年金:第3号から第1号への切り替えを忘れない
保険証の手続きばかりに目が行きがちですが、年金の切り替えも必要です。
日本年金機構の第3号被保険者制度の説明は、次のとおりです。
第3号被保険者は、会社員や公務員などに扶養される配偶者(20歳以上60歳未満)で、保険料を自分で納める必要がありません。
扶養から外れて第3号被保険者でなくなると、第1号被保険者になります。この場合は、住所地の市区町村に、第1号被保険者への種別変更届を出すことになっています。
別のページでは、配偶者の扶養を外れた人が、厚生年金保険などに加入しない場合は、国民年金第1号被保険者の加入手続きも必要、と書かれていました。
「被扶養配偶者非該当届」という仕組みもある
2014年12月から、第3号被保険者が次のいずれかに当てはまったときは、被扶養配偶者でなくなったことを、事業主などを通して届け出る仕組みができた、というのが日本年金機構のお知らせの内容です。
- 収入が基準額以上に増えて、扶養から外れた場合
- 離婚した場合
ただし、協会けんぽの適用事業所に使われている人の被扶養配偶者だった人は、届出が不要とされています。
この届出がないと、年金記録の上では第3号のまま残る可能性があります。種別変更の手続きがないと、保険料を払っていない期間(未納)になり、将来の無年金や低年金につながる可能性があると、同じお知らせに書かれていました。
離婚のあとの年金については、離婚後の年金分割は5年以内に|2026年4月の変更と手続きにも書いています。分割の請求と、種別変更は、別の手続きです。
この資料に書かれていなかったこと
正直に、読んで分からなかった点も書いておきます。
- 離婚が成立した日と、保険証が使えなくなる日の関係:読んだページには書かれていませんでした。保険証が使えるのがいつまでかは、加入している健康保険(協会けんぽの支部や健保組合)に確認してください
- 被扶養者の削除の期限の日数:機構のページには「その都度」とあるだけで、日数の上限は確認できませんでした。扶養していた側の勤め先の担当部署に、いつまでに出せばよいかを聞くのが確実です
- 子どもの保険証をどちらに入れるか:被扶養者の条件として「主として生計を維持されていること」などは書かれていますが、離婚後に子をどちらの扶養にするかは、読んだページには書かれていませんでした。勤め先の健康保険の窓口と、市区町村の国保窓口の両方に確認が必要です
- 国保の保険料の額:自治体で違うため、この記事では扱っていません。市区町村の国保窓口で、試算を聞いてください
- 健康保険組合や共済組合の手続き:協会けんぽ以外は、勤め先に確認するよう案内されていました
- 事実婚や、離婚前の別居中の扱い:確認していません。当てはまる場合は、加入している健康保険と市区町村の窓口に相談してください
よくある質問
国民健康保険は、いつまでに加入しますか?
厚生労働省のページでは、加入などの手続きは14日以内に、住所地の市町村の窓口に出す、と書かれています。
元の配偶者の会社に頼まないと、手続きできませんか?
被扶養者の削除届は、被保険者が事業主を通して出す仕組みです。ただし、国保の加入に必要な証明は、被扶養者が年金事務所に、自分で請求することもできます。
年金は、何もしなくていいですか?
厚生年金に入らない場合は、国民年金の第1号被保険者への手続きが必要です。離婚は、第3号被保険者でなくなる理由の1つです。
出典(読んだページ)
- 日本年金機構 従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
- 日本年金機構 国民健康保険等へ切り替えるときの手続き
- 日本年金機構 「被扶養配偶者非該当届」について
- 日本年金機構 国民年金の第3号被保険者制度のご説明(PDF)
- 厚生労働省 国民健康保険の加入・脱退について
- 協会けんぽ 任意継続(被扶養者に異動があったとき)
まとめ:扶養していた側と、入っていた側で、出す先が違う
- 離婚は、被扶養者を削除する理由として、日本年金機構のページに書かれている
- 削除の届出は、扶養していた側が、事業主を通して出す。提出時期は「その都度」
- 国民健康保険の加入は14日以内。国保に必要な証明は、被扶養者が年金事務所に請求することもできる
- 年金は、第3号から第1号への切り替えが必要。放置すると将来の低年金につながる可能性がある
ここに書いた内容は、2026年10月6日時点で、公式ページを読んだ範囲での整理です。加入している健康保険や、お住まいの自治体によって、手続きの細部は変わることがあります。手続きの判断は、勤め先や市区町村の窓口でご確認ください。
次の1アクションは、自分が「扶養していた側」か「入っていた側」かを確認して、出す先を1行メモに書くことです。
メモができたら、期限が書かれている国民健康保険(14日以内)から動くのが、順番としては安全です。
離婚後の手続き全体の順番は、ひとり親になったら手続き|窓口別の順番と期限を公式資料で整理にまとめています。
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