父子家庭の手当4つを比較|どれが自分に当てはまるか
父子家庭がもらえるお金は、児童手当だけではありません。
ぼくは長いこと、そう思っていました。
調べてみたら、国の制度だけで4つありました。しかもそのうち1つは、父子家庭が対象になったのが2010年からです。それ以前は母子家庭だけでした。
でも困ったことに、調べても分かりにくいんです。
自治体のページは制度ごとにバラバラで、金額と条件が別のページに散っています。検索して出てくる記事も「シングルマザーが受け取れる手当」という書き方が多く、父子家庭の自分に当てはまるのか判断しづらい。
この記事では、その4つを1つの表で比較します。
制度そのものより、どれが自分に当てはまるかを調べるほうが大変でした。
先に断っておきます。ぼく自身は、この4つをどれも受給していません。
児童手当は離婚のときに元妻が受け取る形で決めたので、うちの家計には入っていません。
なので使用感の話は書けません。書けるのは、公式で調べた内容と、当事者として「どこが分かりにくかったか」です。金額や条件は、すべてこども家庭庁・東京都福祉局・国税庁の情報をもとにしています。
4つの制度を1枚で比較
まず全体像です。
| 制度 | 何がもらえるか | 誰が対象か | 所得制限 |
|---|---|---|---|
| 児童手当 | 現金(月10,000〜30,000円) | 子どもがいる全世帯 | なし(2024年10月から撤廃) |
| 児童扶養手当 | 現金(月最大48,050円) | ひとり親世帯 | あり(かなり厳しい) |
| ひとり親家庭等医療費助成 | 医療費の自己負担分 | ひとり親世帯 | あり(自治体で異なる) |
| ひとり親控除 | 税金が安くなる(35万円控除) | ひとり親 | あり(合計所得500万円以下) |
性質が違うものが混ざっています。
ここが分かりにくさの原因でした。
現金がもらえるのは上2つ。医療費助成は「払わなくて済む」もの。ひとり親控除は「税金が減る」ものです。
順番に見ていきます。
① 児童手当:所得制限がなくなりました
一番よく知られている制度です。父子家庭かどうかに関係なく、子どもがいれば対象になります。
支給額(こども家庭庁・2024年10月改正後)
| 年齢 | 月額 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 | 30,000円 |
| 3歳以上〜高校生年代 | 10,000円 | 30,000円 |
対象は0歳から18歳到達後の最初の3月31日まで。高校卒業のタイミングまでです。
支給は偶数月(2・4・6・8・10・12月)に2か月分ずつ。毎月振り込まれるわけではありません。
2024年10月の改正で、所得制限が撤廃されました。
以前は高所得だと減額や対象外がありましたが、今は年収に関係なく受け取れます。
受け取るのは「子どもを養育している人」です。離婚したうちの場合は元妻が受け取る形になっているので、ぼくの家計には入っていません。同じ父子家庭でも、ここは離婚時の取り決めで変わります。
② 児童扶養手当:父子家庭も対象です
ここが一番の見落としポイントだと思います。
児童扶養手当は、こども家庭庁の記載によると平成22年(2010年)8月1日から父子家庭にも支給されています。
それ以前は母子家庭のみが対象でした。検索して出てくる記事が「シングルマザー向け」の書き方ばかりなのは、この名残もあると思います。
支給額(東京都福祉局・令和8年4月現在)
| 区分 | 全部支給 | 一部支給 |
|---|---|---|
| 第1子 | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 第2子以降(1人につき加算) | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
児童手当より金額が大きいです。第1子で全部支給なら月48,050円。
ただし所得制限がかなり厳しいです。
| 扶養人数 | 全部支給 | 一部支給 |
|---|---|---|
| 1人 | 107万円 | 246万円 |
| 2人 | 145万円 | 284万円 |
この金額は「所得」であって「年収」ではありません。
給与所得控除を引いたあとの数字なので、年収に直すともう少し上がります。それでも、フルタイムで働いている場合は一部支給か対象外になることが多い設計です。
なお同居の親族などがいる場合は「扶養義務者」の所得も見られます。扶養1人なら274万円が限度額です。
③ ひとり親家庭等医療費助成:自治体でまったく違います
医療機関にかかったときの自己負担分を、自治体が助成する制度です。
この制度だけ、国の制度ではありません。
都道府県・市区町村がそれぞれ運営しているので、内容が地域でバラバラです。
自治体によって変わるのは、
- 対象になる人の範囲
- 対象年齢
- 所得制限の額
- 自己負担があるかどうか
- 助成される医療費の範囲
最大の特徴は、子どもだけでなく親自身の医療費も対象になることです。
ただしここも自治体次第で、「子どもは子ども医療費助成、親はひとり親医療費助成」と分けている地域もあれば、親子まとめて扱う地域もあります。
なので金額をここに書けません。
書いたら不正確になります。お住まいの市区町村のサイトで確認してください。
そして申請しないと使えません。
役所が勝手に適用してくれる制度ではありません。
④ ひとり親控除:手当ではなく減税です
これだけ性質が違います。もらえるのではなく、払う税金が減ります。
国税庁によると、所得税の控除額は35万円です。
適用の条件は3つで、全部満たす必要があります。
- 事実上の婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいないこと
- 生計を一にする子がいること(その子の総所得金額等が48万円以下。令和7年分からは58万円以下)
- 合計所得金額が500万円以下であること
ポイントは、婚姻歴を問わないことです。離婚でも死別でも未婚でも、条件を満たせば対象になります。
年末調整か確定申告で申告します。こちらも自動では適用されません。
結局どれが自分に当てはまるのか
制度ごとに条件が違うので、当てはまり方を整理します。
父子家庭なら、まず確認すべき順番
| 順位 | 制度 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 児童手当 | 所得制限がないので、子どもがいれば必ず対象 |
| 2 | ひとり親控除 | 合計所得500万円以下なら対象。年末調整で完結する |
| 3 | ひとり親家庭等医療費助成 | 自治体次第だが、親の医療費も対象になりうる |
| 4 | 児童扶養手当 | 金額は最大だが、所得制限が厳しい |
この順番にした理由は、確認のしやすさです。
児童手当は条件がシンプル。ひとり親控除は所得だけで判断できます。医療費助成は自治体に聞く必要があり、児童扶養手当は所得の計算が必要です。
手前から潰していくほうが、途中で挫折しにくいと思います。
ぼくは制度を全部一度に理解しようとして、最初にページを閉じました。4つあると分かっているだけでも、だいぶ楽になります。
調べていて分かりにくかったところ
当事者として引っかかった点を3つ書いておきます。
① 「所得」と「年収」が混ざる
所得制限の表に出てくるのは「所得」です。年収から給与所得控除などを引いた後の数字なので、年収の感覚で見ると判断を誤ります。
② 名前が似ている
児童手当と児童扶養手当。1文字違いですが、まったく別の制度です。対象も金額も所得制限も違います。
③ 申請しないと始まらない
児童扶養手当も医療費助成もひとり親控除も、自分から申請しないと適用されません。
役所が気づいて連絡をくれる仕組みではありません。
ここが一番もったいないところだと思います。制度があっても、知らなければ存在しないのと同じです。
※この記事はぼく個人の調査に基づく情報です。金額・所得制限・対象条件は改定されることがあり、医療費助成は自治体ごとに内容が異なります。実際の受給可否の判断は、必ずお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
まとめ
- 父子家庭が対象の制度は、国のものだけで4つある
- 児童扶養手当は2010年から父子家庭も対象。名残で母子家庭向けの情報が多い
- 児童手当は2024年10月から所得制限なし
- 医療費助成は自治体でまったく違うので、金額は各自治体で確認するしかない
- ひとり親控除は手当ではなく減税。合計所得500万円以下が条件
- どれも申請しないと始まらない
今日やることを1つ選ぶなら、これです。
ひとり親控除に当てはまるか、合計所得500万円以下かどうかだけ確認してください。
年末調整の書類に記入欄があります。3つの条件を満たしていれば、それだけで税金が減ります。
4つの中で、一番手前にあって一番見落としやすいのがここでした。
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