住宅ローン繰上返済と投資はどっち?決め手は1つだった
手元に少しまとまったお金ができたとき、住宅ローンを繰り上げて返すか、投資に回すか。
どちらが正解なのか、いくら調べても答えが出ませんでした。
「金利より期待リターンが高いなら投資」と書いてあるのですが、期待リターンは確定していません。確定していないものと確定しているものを並べていたので、そもそも比較になっていませんでした。
ぼくは2年ほど前、120万円を繰上返済に入れて期間短縮を選びました。当時の金利は1.125%、今は1.775%まで上がっています。
ただ、金利の高さで決めたわけではありません。
判断軸を4つ並べて、最後に効いたのはそのうち1つだけでした。
この記事では、その4つと、ぼくがどれで決めたのかを実額で書きます。読み終えたら、自分がどちらを選ぶか決まると思います。
45歳のシングルファーザーで、手取りは月25.5万円、住宅ローンは月95,410円です。千葉で実家を建て直した持ち家に住んでいます。専門家ではないので、正解ではなく判断の過程を書きます。
4つ見て、決め手になったのは1つだけ
先に全体を出します。
| 判断軸 | ぼくの状況 | 効いたか |
|---|---|---|
| ① 生活防衛費はあるか | 確保済み | 前提条件 |
| ② 金利は何%か | 当時1.125% | 効かなかった |
| ③ 住宅ローン控除は残っているか | 残っていた | 効かなかった |
| ④ 完済年齢は何歳か | 定年後まで残る | これで決めた |
金利で決めていません。控除でも決めていません。
決め手は完済年齢だけでした。
① 生活防衛費:これが無いなら、どちらもまだ
順番として、ここが最初です。
繰上返済に入れたお金は戻ってきません。投資なら売れば現金になりますが、繰り上げた分は家に変わって出てこない。
120万円を入れた翌月、通帳の残高だけがきれいに減っていました。家のほうは特に何も言ってくれません。急に必要になっても、壁からお金は出てこないわけです。
だから、生活防衛費・息子の教育費・毎月の積立の3つは残しました。
繰上返済は、この3つが済んでからの話だと思っています。順番を逆にすると、繰り上げたあとにカードローンを借りることになりかねません。
② 金利:繰上返済の利回りは、ローン金利とまったく同じ
ここが分かってから、迷いが減りました。
繰上返済で得をするのは、払わずに済んだ利息の分です。金利1.125%のローンを繰り上げれば、その元本にかかるはずだった1.125%を払わなくて済みます。
つまり、繰上返済のリターンは金利と同じになります。しかもこの利回りには、投資にない性質が3つあります。
- 確定している。相場に左右されない
- 税金がかからない。運用益ではないので約20%が引かれない
- 元本割れしない
投資で1.125%を「確実に・税引き後で」取ろうとすると、実際にはもう少し高い利回りが必要になります。
ただ、1.125%は投資でも十分に狙える水準です。
だから金利は、ぼくの決め手にはなりませんでした。
理屈だけなら、当時は投資に回すほうが有利という計算もできたはずです。
そのあと、金利は1.775%まで上がりました
2年で0.65%上がりました。
上がったことに気づいたのは、だいぶあとです。毎月同じ額が引き落とされるので、実感がまったくないんです。銀行もわざわざ電話はくれません。
結果的には、残高を減らしておいてよかったことになりました。同じ利上げでも、元本が小さいほど影響は小さくなります。
ただこれは、狙って当てたわけではありません。金利の損得で決めていなかったから、金利が動いても判断を後悔せずに済んだ、というだけです。
→ 返済額が家計にどれだけ重いかは離婚後の住宅ローン|手取りの37%を一人で払うに書いています。
③ 住宅ローン控除:残っているなら急がない考え方もある
控除が効いている期間は、実質の負担がその分だけ軽くなります。
控除率より金利が低いなら、繰り上げずに手元へ置いておく判断もあります。
ぼくの場合は残っていましたが、ここも決め手にはしませんでした。
控除は期限付きで終わるのに対して、完済年齢は終わったあとの人生に効くからです。
④ 完済年齢:ここで決めました
繰上返済を考えたのは43歳のときです。このまま返し続けると、定年後もローンが残る計算でした。
さらに、息子が大学に行くころに教育費とローンが重なります。
ただ、本当の理由はもう少し身も蓋もないところにあります。
ローンがあると働かなきゃいけない、という縛りが好きじゃないんです。
毎月95,410円の引き落としがある限り、仕事は選べません。嫌なことがあっても辞められないし、収入が下がる選択もできない。
その期間を、少しでも短くしたかった。
これは金利の損得では測れない部分です。
0.65%の差より、何歳まで働くことを強制されるかのほうが、ぼくには重く感じました。
だから繰上返済を選び、期間短縮にしました。
| 効果 | 毎月の返済額 | |
|---|---|---|
| 期間短縮 | 利息の削減が大きい | 変わらない |
| 返済額軽減 | 毎月が楽になる | 下がる |
毎月が楽になる返済額軽減も魅力的でした。ただ、月々の負担は保険と通信費の見直しで先に下げてあったので、そこはもう手を打ってありました。
→ 固定費の削り方は保険見直しまとめ|40代が月7,813円減らすまでの順番にまとめています。
結局、どっちも持つが答えでした
繰上返済に120万円入れたあとも、新NISAは続けています。
全部を繰上返済に回さなかったのは、①の理由と同じです。戻ってこないお金を増やしすぎたくありませんでした。
繰上返済は確実だけど動かせない。積立は不確実だけど動かせる。
イールドギャップを取るべきだ、という考え方もあると思います。
低金利で借りて、その差を投資で取りにいくやり方です。理屈としては正しいと思います。
ただ、これは下がった年にも動じない人向けだと感じています。
分けるなら、こうです。
- 理屈で判断できて、相場が下がっても平気な人 → イールドギャップを取りにいく
- ローンがあること自体が、どこかで気になってしまう人 → 住宅ローンを優先する
ぼくは後者でした。
数字の上では投資有利だったかもしれません。でも、ローンが残っている限り「働かなきゃいけない」という感覚が消えませんでした。
その気持ちを抱えたまま20年続けるより、期間を縮めるほうがぼくには合っていました。
そのうえで、どちらか一方に全部寄せる必要もありませんでした。投資額も増やしたいし、ローンの期間も縮めたい。だから両方持っています。
最適解ではないと思います。ただ、片方に全部寄せて眠れなくなるより、ぼくにはこのほうが続きました。
→ 積立額の決め方は新NISA月1万円は少なすぎ?40代の結論と3万円の分岐点に書きました。
ぼくの今の数字
隠さず出します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン残高 | 14,496,154円 |
| 金利(変動) | 1.775%(繰上返済時は1.125%) |
| 毎月の返済 | 95,410円 |
| 繰上返済した額 | 120万円(期間短縮) |
| 新NISAの積立 | 月3万円(開始時は1万円) |
| 手取り | 月25.5万円 |
手取りの37%以上がローンに消えている状態です。
よくある質問
Q. 繰上返済と投資、どちらが正解ですか?
金利と、その人の状況によります。ぼくは金利では決めませんでした。どちらか一方に全部寄せる必要もありません。ぼくは両方やっています。
Q. 繰上返済に手数料はかかりますか?
金融機関と手続き方法で違います。ネットからの手続きなら無料のところもあります。事前に確認したほうが確実です。
Q. 期間短縮と返済額軽減、どちらがお得ですか?
利息の削減額だけを見れば期間短縮のほうが大きくなります。ただ、毎月の家計が苦しいなら返済額軽減のほうが現実的です。削減額より、続けられるかを優先していいと思います。
※この記事はぼく個人の体験談・調査に基づく情報です。金利・控除・手数料の条件は金融機関や契約時期で異なります。投資・保険・金融商品の判断は自己責任でお願いします。必要に応じてFP等の専門家にご相談ください。
まとめ
- 繰上返済のリターンは金利と同じ。確定・非課税・元本割れなし
- 判断軸は4つあるが、全部が効くわけではない。ぼくは完済年齢だけで決めた
- その裏にあるのは「ローンがある限り働かされる」のが嫌だという気持ち
- 金利1.125%は投資でも狙える水準。だから金利では決まらなかった
- 繰り上げたあとに1.775%まで上昇。金利で決めなかったから後悔せずに済んだ
- 繰上返済したお金は戻らない。生活防衛費・教育費・積立が先
- 最終的な答えはどっちも持つ。最適解ではないが、片方に寄せるより続いた
今日やるなら、住宅ローンの今の金利を確認するところからで十分です。
上がっても引き落とし額は変わらないので、気づかないまま何年も過ぎます。ぼくがそうでした。
家計全体の中でローンをどう置くかで迷うなら、一度まとめて見てもらう手もあります。
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