保険の契約者変更で贈与税は?解約返戻金の注意点を確認
「保険の契約者を変えたら、贈与税がかかるの?」
「名義を変えるだけなのに、課税されることなんてあるの?」
先に結論を書きます。生命保険の契約者を変えただけでは、贈与税は課税されません。
国税庁のタックスアンサーに、そのとおり書かれています。
ただし、別の場面で贈与税が出てくることがあります。たとえば、新しい契約者が保険を解約して、解約返戻金を受け取ったときです。
この記事では、国税庁のページ4つを読んで、課税される場面とされない場面を整理しました。ぼくの体験談ではなく、国税庁の資料を読んで、書かれていない部分まで含めて整理したものです。
表を1回見ておけば、「名義を変えるのが怖い」という漠然とした不安は、「どの場面だけ気をつければいいか」に変わるはずです。
契約者を変えただけなら、贈与税はかからない
国税庁のNo.4417には、こう書かれていました。
生命保険契約の契約者を変更しただけでは、贈与税は課税されません。贈与税が課税されるのは、被保険者の死亡や保険期間の満期により、保険料を負担していない人が生命保険金を受け取った場合等に限られます。
質疑応答事例には、理由も書かれています。
相続税法は、保険事故が起きたときに、保険金受取人が保険料を負担していなければ、保険料の負担者から保険金を取得したものとみなします。一方で、保険料を負担していない契約者の地位は、相続税や贈与税の課税上、特に財産的な意味があるとは考えていない、という整理です。
つまり、国税庁が見ているのは「契約者が誰か」より、「保険料を負担した人が誰か」です。
注意したいのは「解約返戻金」
同じ質疑応答事例に、例外が書かれていました。
契約者の変更があっても、その変更に贈与税は課せられません。ただし、新しい契約者が、その地位に基づいて保険契約を解約し、解約返戻金を受け取った場合は別です。
この場合、契約者は、解約返戻金に相当する額を、保険料の負担者から贈与により取得したものとみなされて、贈与税が課税されます。
名義変更はセーフでも、そのあと解約してお金を受け取ると、その額が贈与として扱われる、という読み方になります。
「名義を変えただけだから大丈夫」という理解で止まらず、その先で解約する予定があるかを考えておく必要がありそうです。
満期や死亡のとき:保険料の負担者と受取人が同じかどうか
契約者変更とは別に、お金を受け取る場面の整理も、国税庁にありました。
No.1755には、満期や解約で保険金を受け取った場合は、保険料の負担者と保険金受取人が誰かによって、所得税か贈与税のどちらかになる、と書かれています。
| 保険料の負担者 | 保険金受取人 | 税金の種類 |
|---|---|---|
| A | A | 所得税 |
| A | B | 贈与税 |
- 同じ人の場合:一時金で受け取ると一時所得、年金で受け取ると雑所得になる
- 別の人の場合:贈与税が課税される。年金で受け取る場合は、その年金を受け取る権利に対して贈与税が課税される
一時所得の金額は、他に一時所得がないとすれば、受け取った保険金の総額から、すでに払い込んだ保険料を引き、さらに特別控除50万円を引いた額です。課税の対象になるのは、その額をさらに2分の1にした金額、と書かれていました。
死亡保険金については、No.4417に、もう1行ありました。被保険者の死亡で受け取った保険金のうち、被保険者が保険料の負担者だったものは、贈与税ではなく相続税の対象になります。
けがや病気などによる給付は、贈与税の対象から除かれる、とも書かれています。
受取人の欄を決めるときは、先に「保険料を払ってきた人は誰か」と並べて見ておくと、迷いにくいと思います。これは資料の文ではなく、ぼくの読み方です。
この資料に書かれていなかったこと
正直に、読んで分からなかった点も書いておきます。
- 契約者変更の前後で、保険料を払う人が変わったときの扱い:変更前に払った分と、変更後に払う分をどう分けて考えるのかは、読んだページには書かれていませんでした
- 解約返戻金への贈与税が、実際にいくらになるか:贈与税の計算方法や基礎控除は、この記事では確認していません
- 保険会社での手続きの流れ:国税庁は税金の話で、会社ごとの契約者変更の手続きや必要書類は扱っていませんでした
- 学資保険や個人年金など、種類ごとの違い:読んだのは生命保険一般の説明でした
保険の契約者を実際に変えるときは、この4点は保険会社と税務署、または税理士に確認するのが確実です。
保険全体の見直しについては、離婚後の保険見直しの手順にまとめています。家を財産分与したときの税金は、離婚の住宅名義変更と贈与税に、国税庁の資料をもとに整理しました。
よくある質問
契約者を変えるだけで、贈与税の申告は必要ですか?
国税庁のNo.4417では、契約者を変更しただけでは贈与税は課税されない、とされています。申告が必要かどうかまでは、読んだページには書かれていませんでした。
契約者を変えたあと、解約したらどうなりますか?
質疑応答事例では、新しい契約者が解約して解約返戻金を受け取ると、その額を保険料の負担者から贈与されたものとみなして、贈与税が課税される、と書かれています。
満期保険金を受け取ったときは、必ず贈与税がかかりますか?
いいえ。No.1755では、保険料の負担者と受取人が同じ人なら所得税、別の人なら贈与税、と書かれています。
出典(読んだページ)
- 国税庁 No.4417 贈与税の対象になる生命保険金
- 国税庁 No.4417 契約者の名義を変更した場合(Q&A)
- 国税庁 質疑応答事例 生命保険契約について契約者変更があった場合
- 国税庁 No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
まとめ:契約者より「保険料を払った人」を見る
- 契約者の名義を変えただけでは、贈与税は課税されない
- 新しい契約者が解約して解約返戻金を受け取ると、保険料の負担者からの贈与とみなされる
- 満期や解約のとき、保険料の負担者と受取人が別人なら贈与税、同じ人なら所得税
- 保険料の負担者が被保険者の場合、死亡保険金は贈与税ではなく相続税の対象
ここに書いた内容は、国税庁の資料を読んだ範囲での整理です。税金の判定は、保険の種類や誰が保険料を払ってきたかなど、個々の事情で変わります。最終的な判断は、保険会社や税務署、税理士などの専門家に確認してください。
次の1アクションは、手元の保険証券で、契約者・被保険者・受取人の3人の名前と、これまで保険料を払ってきた人を、1枚のメモに書き出すことです。
迷う点が出てきたら、そのメモを持って保険会社か税務署に相談してみてください。
登録後すぐ受け取れます。「毎月1万円を残すために最初にやったこと」
貯める → 増やす。「お金の順番」で家計を整えた実体験です。
スマホ・光回線・保険・サブスクを見直し、毎月17,913円を残せるようになるまでの手順をPDFにまとめました。
- ✅ 登録後すぐ受け取れる特典PDF付き
- ✅ 「お金の順番」をひとつの流れで読める
- ✅ 失敗や出費も、そのまま正直に公開